石の物語 第五話
「玄関の、ありがとう。」
このアメジストは、
私の家にある大きな原石の中では
一番古い石です。
でも、家にある石を
ひとつずつ眺めていたら、
ずっと前から、
玄関で私を見送ってくれている石がいました。
7、8年ほど前。
沖縄で、ある方とのご縁がありました。
それまでにも私は、
お数珠や小さな石が好きで、
身につけることはよくありました。
でも、原石を家に迎えて、
置く場所まで決めて暮らし始めたのは、
このアメジストが最初でした。
いくつか見せていただいた中から、
「幸せが舞い込んでくるような形ですよ」
と教えていただいたものを、
それなら、この子がいいな。
そう思って、私が選びました。
そして教えていただいた通り、
玄関を入って左側へ。
それから7、8年。
一度も場所を変えていません。
出かける時。
帰ってきた時。
玄関を通るたびに、
この石を見て、
「ありがとう。」
「今日も守ってくれて、ありがとう。」
「今日も幸せ。ありがとう。」
そんなことを、
自然と思うようになりました。
石が何かをしてくれたのかは、
私には分かりません。
でも——
この子が玄関にいることで、
私は何度も
「ありがとう」を思い出してきました。
振り返ってみると、
石との暮らしは、
何かを願うことだけではなく、
今ある幸せに気づいて、
感謝することなのかもしれません。
今日も出かける時に、
「行ってきます。ありがとう。」
帰ってきたら、
「ただいま。今日もありがとう。」
もう何年も、
玄関にいるこの子と続いている、
私の小さな習慣です。😊🍀
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